6.流行の仕組み
前回の記事では、ストリートスナップの評価基準について、媒体の編集の都合から考えたことを書きました。
今回は、ストリートスナップされる人とされない人の差を生む流行の理解度についてです。
○日本のストリートファッションにおける流行
流行の理解する目的は、ストリートスナップされるにあたって求められている流行がどんな流行なのか正しく捉えるため、また流行を先読みするためです。
・過去の流行、原則
私はまず日本で過去流行ったファッションについて調べました。
以下は各年代毎のまとめです。
<50年代>
・ロカビリー
・ニュー・ルック
<60年代>
・ヒッピー
・モッズ
・アイビー・ルック
・ミニスカート
<70年代>
・サファリルック
・イッセイ・ミヤケ
・パンク
<80年代>
・竹の子族
・DCブランド
・カラス族
・ケミカルウォッシュ
<90年代>
・グランジ
・ルーズソックス
・裏原
・渋カジ
・スニーカー
<00年代>
・スキニージーンズ
・
<10年代>
ここからわかったことは、
流行には発信源がある
発信源の数は増えている
流行はおおよそ20年周期で繰り返している
流行の多くは外国から入ってくる
流行が
どこ発かで流れは変わる、大きな流れとして、海外コレクション⇒日本ブランド⇒雑誌メディア⇒アパレル関係者⇒美容師⇒多く売りたいセレクトショップオリジナル⇒首都圏の一般層、地方の一般層
・その時点での流行は一つでない、主体によって流行は異なる
・発信源の多様化で、この流れに沿わない流行が増
・ストリートスナップにおける流行は、媒体によって違う
・流行を先読みするには
・自分のおしゃれの定義に合わせて、どこの流行を切り取るか
5.おしゃれの評価基準(2)
前回の記事では、人のおしゃれの評価基準について、認知の仕組みから考えたことを書きました。
4.おしゃれの評価基準(基礎編) - 公務員のマジメなおしゃれ理論
今回は前回に続き、ストリートスナップの評価基準について書きます。
○ストリートスナップの特徴
評価基準の考え方は前回のとおりです。
「評価者を特定する ⇒ その時点で評価者がおしゃれだと考えるものと、そう考える理由を予想する 」
この考え方を、ストリートスナップに当てはめます。
私はまず評価者を特定するため、ストリートスナップについて調べました。その特徴としてわかったことは次のとおりです。
・撮影場所の大半は原宿。
・撮られる人の年齢は、10代後半から20代前半が大半を占める。
・スナップを撮る各媒体に、複数の撮影者がいる。
・雑誌であれば、掲載のおよそ一ヶ月前に撮影している。ファッションサイトは媒体によって異なる。中には撮ってすぐ掲載するところもある
・上記の他、スナップされる人の傾向・人数等は、媒体の編集の都合に影響される。
ここでストリートスナップには複数の撮影者がいることから、評価者の特定は難しいことに気づきました。
これについて考えていた2006年当時は、20代前後を年齢層をターゲットとしたほぼ全てのファッション誌と、fashionsnap.comやstyle arena等のいくつかのファッションサイトがストリートスナップを撮っていました。
また上記のとおり、それぞれの媒体に複数の撮影者がいました。
媒体の数だけでおよそ20、撮影者は100人以上はいたと思います。
そこで評価者を特定するために定義をより具体化すること(例えば「○○にスナップされること」等)を検討しましたが、そうした場合でも複数の評価者がいるため完全な特定はできないこと、また評価者を特定する目的は評価基準を考えやすくするためであって、必ずしも一人に特定する必要はないことから、まずは評価者に影響されないスナップ全体に共通する評価基準を考えることにしました。
○ストリートスナップの評価基準
ここで目を付けたのは、スナップされる人の傾向・人数等は、媒体の編集の都合に影響される点です。
雑誌であれば多くの人に買ってもらう、ファッションサイトでは多くのアクセスを稼ぐという目的があります。
そのため媒体は多くの人が見たくなる内容にする必要があります。
多くの人にとって魅力的なものにするために実際に採用されているコンテンツには、人気のブランドの新作紹介、有名人のインタビュー等いろいろあります。ストリートスナップもそのうちの一つです。
これらに共通するのは「流行」を押さえたものであることです。
ファッション=流行なので当たり前ですね。
実際に各媒体は、今現在流行っているものや、これから流行りそうなものを紹介したりして、コンテンツ内容に流行を取り入れています。
(個人が運営するファッションブログ等の小規模な媒体には、あえて流行を取り入れない編集の仕方を取っているものもあります)
これは当然ストリートスナップにも関わるものです。
つまり多くの場合、ストリートスナップの評価基準には、流行を取り入れていることが含まれており、先述の特徴と合わせて「原宿の10代後半から20代前半の若者の流行を取り入れていること」が基準の一つとなっています。
○ 流行を取り入れるなんて当たり前?
「雑誌に流行のスタイルが載っている」なんていうのは、ほとんど誰もがわかっている当たり前の話だと思います。
私も当時こんな風に考える前からわかっていたことでした。
しかし街を歩いている人を見ると、そのことがわかった上で流行を取り入れようとしているはずなのに、うまく取り入れることができている人とそうでない人で、大きな差が付いていることがわかります。
流行を取り入れる必要があることをわかっているだけでは不十分なのは明らかでした。
私は、ここまで差が付いてしまうのは流行の理解度に差があるからだと考えました。
「なんとなく流行がわかっている」か「深く流行をわかっている」かの違いで、結果に大きな差が付いているのではないかということです。
その後、私は流行について調べ、ストリートスナップの評価基準にかかる大きなヒントを見つけることができました。
その説明はまた次回の記事に続きます。
4.おしゃれの評価基準(1)
前回までの記事で、一人ひとりにとってのおしゃれを定義し、おしゃれの評価者と方向性を決めました。
今回は、その評価者に評価されるために押さえるべき「おしゃれの評価基準」について解説します。
○人はどのようにおしゃれを評価しているか
おしゃれに限らず、評価が伴うものには、必ず基準があるものです。
トリプルアクセルを成功させたからプラス何点、歌の音程が外れたからマイナス何点等、基準はその評価の対象によって様々です。
私はおしゃれにおいても同様に基準があるはずだと考えました。
人が、何を見て、どのように感じ、おしゃれを評価しているのかわかれば、それに合わせておしゃれすることができるため、効率的におしゃれになることができます。
そこで私は、人のおしゃれの評価基準について調べることにしました。
○認知との出会い
調べようと思ったは良いものの、どこから調べてよいかわからず困っていたところ、その当時履修していた心理学の講義の中で「認知」に関する説明がありました。
認知とは、人がすでに持っている情報にもとづいて,外界からの情報を取り入れ,それを処理して新たに蓄積するまでの情報処理の過程のことです。
講義の内容は認知の基礎的な仕組みを説明するのみで、当然おしゃれとの関係性についての説明はありませんでした。
しかし、認知は人から情報を得る際も行われるものであることから、おしゃれの評価にも関係するものだと考えました。
そこで私は、認知の仕組みにおしゃれの評価基準につながる何かしらのヒントがあること期待して、これについて調べることにしました。
○人の認知の仕組み
調べた結果、わかったことは次のとおりです。
(最後にまとめるので、難しいと思った方は飛ばして読んで大丈夫です。)
・人は、感覚器官(目、耳、鼻など)を使って、外部から情報を得ている。
・情報を得るにあたっては、自分の過去の経験を基に、多くの情報の中から必要とする情報だけを選択している。
・そうして得た情報は、自分の過去の経験を基に処理され、心の内面にイメージや意味を形作る。
・情報の処理には、2つのシステムが存在する。ひとつは視覚に関連の強いイメージシステム、もうひとつは聴覚に関連の強い言語システム。
・イメージシステムは「カッコイイ」、「かわいい」などの心象的意味性の読み取りに関連が深く、言語システムは価格、性能、ブランドなどを示す価値的意味性に関連が深いと考えられる。
・形態の評価は、心象的意味性、価値的意味性の2つのバランスで成り立っている。
<以下は理論上音楽に関するもの>
・対象(音楽)のもつ性質だけでなく,文化差や人種差などの社会的要因,パーソナリティや性差などの個人的要因、音楽を聴いている環境も評価に影響を与える。
・音楽を好む程度は、逆U字型関数で表され、刺激が中程度の時に最も好まれる。(最適複雑性モデル)
・聴取者が音楽によって作られる期待が裏切られたときに情動が生じる。
前半の5つは基礎的な認知の仕組みに関するもので、後半は音楽の認知に関するものです。
直接おしゃれに言及したものは残念ながら見つかりませんでした。
前半5つをおしゃれの評価に当てはめる形で単純にまとめると、
・人は、自分の過去の経験や知識を基におしゃれを評価していて、頭から足の先までの全部を見て評価しているのではなく、(靴なら靴だけといったように)必要だと思った部分だけを見て評価している。
・評価基準には、大きく分けて2つある。一つは「色使いがうまいからおしゃれ」「シルエットが綺麗だからおしゃれ」というような視覚的なもの、もう一つは「流行りのブランドを着ているからおしゃれ」「機能的に優れたものを着ているからおしゃれ」といった言語(価値)的なもの。
・最終的な評価は、得た情報を2つの基準で評価して総合的に決まる。
後半3つは本来は音楽に関するものですが、これらは経験上おしゃれにも当てはまるものだと考えています。
前半と同様に おしゃれの評価に当てはめる形で単純にまとめると、
・人は、自分の過去の経験や知識を基に、おしゃれを評価する状況に応じたおしゃれへの期待を持っており、その期待が裏切られたときに感情の動きが生じる。
・この感情の動きが、評価に影響する。
・感情の動きの大きさは、裏切りの度合いとの関係で、図のような逆U字曲線を描く。ある一点で感情の動きは最大になり、それより裏切りの度合いが小さいか大きいと、感情の動きは小さくなる。
つまり適切に評価されるためには、評価者の期待するおしゃれがどんなものであるか把握し、色使いやシルエット等の視覚的要素と、ブランドや機能等の言語的要素をバランスよく組み合わせ、その期待を適度に裏切るおしゃれをすることが大切だということです。
これだけだとわかりにくいと思いますので、「2.おしゃれって何??」で紹介した大学の人たちを例に説明します。
○評価者に合わせたおしゃれの方法
大きな流れは、次のとおりです。
「評価者の特定(方法は以前の記事のとおり) ⇒ その時点で評価者がおしゃれだと考えるものと、そう考える理由を予想する ⇒ その予想を裏切るために、視覚的要素、言語(価値)的要素でどのように変化を付けるか考える ⇒ 実行する」
ここでの評価者は、大学の人たちです。
大学の人たちが期待するおしゃれは、先述のとおり大学名の入ったサテンジャンパー、スウェットパンツにティンバーランドのブーツを合わせることです。
これをおしゃれとする理由には、所属する大学名のブランド、サテンジャンパーやスウェットパンツの機能性等の言語(価値)的要素が強く反映されていました。
また、流行とは大きく異なるスタイルであることから、大学の人たちは流行にあまり興味がなく、流行の服に関する知識も持っていないことが予想できます。
服に関する知識がない場合、変化の度合いが適切に理解できず大きく反応してしまうか、変化に気づけず全く反応しないかのどちらかになりますが、大学の人たちは知識がない中で特定のアイテムに強いこだわりを持っていることから、その特定のアイテムの変化には敏感に反応するだろうと考え、小さな変化の中で適度に期待を裏切ることを狙います。
これを踏まえつつ、視覚的要素、言語(価値)的要素のバランスで変化をつけますが、その選択肢を私は次のように考えました。
・サテンジャンパー、スウェットパンツ、ティンバーランドのブーツという基本は変えずに、それぞれのアイテムの色やシルエット等の視覚的要素のみに変化をつける(スウェットパンツの色をグレイから黒にする、ティンバーランドのブーツのレングスを変える等)。
・サテンジャンパー、スウェットパンツ、ティンバーランドのブーツという基本は変えずに、大学名等の言語(価値)的要素のみに変化をつける(大学名を所属大学からよりブランド価値のありそうな大学に変える等)。
※実際には、髪型や性格等の他の部分も影響しますが、わかりやすくするためここでは省略しています。詳しくは次回以降の記事で解説します。
これは考え方の一例であり、他にも考え方があると思います。
これを実行した結果評価されない場合には、変化のつけ方を微調整したり、考え方を変えたりして、最適なポイントに近づけていきます。
今回の内容は少し難しかったかもしれません。
詳細は次回以降に続きます。最後の段落の考え方がポイントです
次回のエントリーは、今回の続きとして、私がストリートスナップされるためにどのように考えたかについて解説します。
3.自分にとってのおしゃれを定義する
前回の記事では、おしゃれになるためには、人の評価を意識した自分にとってのおしゃれを定義する必要があると書きました。
今回はその方法について考えます。
○おしゃれを定義する方法
まず「おしゃれの評価者」とそれに合わせた「おしゃれの方向性」を考えます。
前回のエントリーのとおり、おしゃれは多様です。
どのような方向性でおしゃれするのかが決まっていなければ、おしゃれしようにもどうするか決まらず、行き当たりばったりでブレブレなおしゃれになってしまいます。
そのため、最初にどんなおしゃれをするか、おしゃれの方向性を決める必要があります。
一方、人の評価(評価者)のないおしゃれはあり得ません。
そのため、方向性を考えるにあたっては、誰に評価されるのかを考慮する必要があります。
言い換えれば、おしゃれの方向性は、評価者に影響されるということです。
そこで、おしゃれの定義を「○○(グループ)の○○(人)が評価するもの・こと」という形にすることで、評価者とその評価に合わせたおしゃれの方向性を決めてしまおうというのが私の考え方です。
○きっかけと理由から定義を考える
このブログの読者は、何かしらのきっかけや理由があって、おしゃれになりたいと思い、このブログにたどり着いたはずです。
そのきっかけと理由からキーワードを拾って、どこの(グループ)、誰(評価者)が評価するものか考えます。
私は、原宿でおしゃれな人たちを見たことがきっかけでおしゃれになりたいと思うようになりました。
私は大学に入学する前から、学生時代は学業の他に何か自分にとって新しいことに取り組みたいと考えていました。
そんな中で目にした原宿の人たちの個性的なスタイルは、それまでおしゃれに縁のなかった田舎者の私にとって新鮮で魅力的なものであり、すぐに「あんなふうになりたい」と思いました
また、取り組む内容は、達成感を得るため、達成度合(レベル)の測れるものが望ましいと考えていたことも理由となって、おしゃれに取り組むことを決めました。
○きっかけ+理由=定義
この場合、キーワードは次のようになります。
きっかけ = 原宿、おしゃれな人
理由=達成度(レベル)
ですので、どこ(グループ)=原宿、誰=原宿の人となり、理由と合わせてこれを単純に繋げると、定義は「原宿の人が、おしゃれの達成度を評価するもの」になります。
これでも、大まかな方向性は「原宿の人に評価されるスタイル」で決まりますが、より具体的にするため、これに当てはまるものを探した結果、最も近かったのが原宿のストリートスナップでした。
ストリートスナップは、原宿(その他の場所もある)で、雑誌の編集者等が、街を歩いているおしゃれな人を評価し声を掛け撮影するもので、上記の定義にも沿っています。
こうして私にとってのおしゃれの定義は「ストリートスナップされること」になり、方向性は「ストリートスナップされるスタイル」になりました。
○うまく定義できない場合
定義は具体的であればあるほど、方向性と評価者をイメージしやすくなります。
私の場合は、キーワードに当てはまる具体例が見つかりましたが、見つからない場合もあると思います。
その場合、その定義が評価者と方向性を決めるものであれば、この段階では多少抽象的であっても、後で具体化されるため問題ないと思います。
抽象的過ぎて評価者と方向性が決まらない場合は、きっかけと理由を掘り下げて考えることで、キーワードを具体化する必要があります。
また、キーワードが複数あって定義できない場合には、それらのキーワードに優先順位を付けて、優先順位の高いものを選ぶと定義しやすくなると思います。
もしきっかけや理由に全く人が出てこないようなら、それは人の評価を必要としていないということかもしれません。
このブログでは、人の評価があることを前提としていますが、人の評価のないおしゃれが悪いわけではなく、それも一つのやり方だと思います。
○人の数だけ定義があって良い
「会社の上司が評価するもの」
「家族が評価するもの」
「サークルの異性が評価するもの」
自分なりの定義ができて、方向性と評価者が決まれば、あとはその方向に進むだけ。おしゃれの方向性に悩む人が多くいる中で、その方向性にブレなくなっただけでも、もう半分おしゃれになったようなものです。
とは言っても、どう進んでいいかわからず、失敗したり、進歩を感じられない人が多いのも事実です。
そこで次回は、進み方を考える上での基本となる、人がどのようにおしゃれを評価しているかについて解説します。
2.おしゃれって何?
音楽好きな両親の影響で
前回の記事で、既存のおしゃれの理論は「おしゃれ」を定義していない、と書きました。
定義しないとおしゃれになれないのでしょうか。
それは、おしゃれは人それぞれ捉え方の異なるもので、人の評価があって初めて成り立つものなので、その理論がどんなおしゃれについて言及しているのか明確でなければ、評価されることもないからです。
○原宿のおしゃれと大学のおしゃれ
私が初めておしゃれの定義について考えたのは、上京してすぐの頃でした。
当時(2006年頃)は、DIOR HOMMEの流行により、タイトなスタイルが人気でした。
原宿の街の人のタイトなスタイルは、ルーズなスタイルしか知らなかった自分には新鮮に写りました。
私はすぐにタイトなデニムとジャケットを買い、買ったばかりの服を着て、おしゃれになったつもりで大学に行きました。
しかし、大学でそのスタイルは酷評されます。「細すぎ」「マッチ棒みたい」散々な言われ様でした。
(確かに今考えると似合っていない変な格好をしていたと思います。笑 ただ、ここではスタイルの方向性に問題があったということにします)
当時私が通っていた大学では、原宿で人気のあったタイトなスタイルとは逆のルーズなスタイルが人気でした。
大学名の入ったサテンジャンパー、スウェットパンツにティンバーランドのブーツを合わせることが最高のおしゃれだとされていました。
大学の人たちは、原宿の人たちとは違うおしゃれ観を持っていました。
大学の人たちにとって、タイトなスタイルは、自分たちの方向性とあまりにも違い過ぎて理解し難いものだったかもしれません。
○国や地域、年代、価値観等によって異なるおしゃれの形
私はこれをきっかけに、おしゃれとは何かについて知るべく、世界のおしゃれとその歴史について調べました。
これらの写真は、いずれもそれぞれの国や地域、時代等でおしゃれだとされているものですが、一言でおしゃれと言っても、その中身は全く異なることがわかります。
また、上記の大学の例のように、同じ地域、時代でも人によって全く別の捉え方があります。
このように、おしゃれは多様であることから、絶対的なおしゃれは存在しないと考えました。
そのため、「どんなおしゃれをするのか」自分にとってのおしゃれを定義する必要があります。
しかし、このように多様なおしゃれにも共通点はあります。
それは人の評価があって初めて成り立つものであることです。
○おしゃれかどうか判断するのは自分ではない
おしゃれの辞書的な意味は“服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配ること。洗練されていること。また、そのさまや、その人”です。
これには”~にしようと気を配ること”という主観的な意味も含まれていますが、実際の言葉の使われ方を見ると、「(主観的に)服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配っている」ことについておしゃれという言葉を使うことは少なく、人の評価ありきで「(気を配った結果)洗練されている」ことの意味で使われることの方が多いです。
つまり多くの場合、人に評価されないものをおしゃれとは言わないということです。
そのため、自分にとってのおしゃれの定義するにあたっては、人の評価、特に「誰に評価されるか」を意識しなければなりません。
○当たり前のようで欠けている、おしゃれの定義と人の評価に対する意識
今回のエントリーの内容を当然のことだと感じる人も多いと思います。しかし、一方でこれが欠けているがために、おしゃれに悩む人が多くいるのも事実です。
・買うつもりのなかった服を定員に勧められ、つい買ってしまったが、結局着ないままになっている。
・よく選んで気に入って買った服なのに、周りからの評判が悪かった。
・買った服を着ていく場所がない。
これらは、おしゃれに関する失敗談としてよく挙がるものですが、定義と人の評価を意識していれば起こらないことだと思います。ちなみにアメリカの雑誌の調査によると、女性は持っている服の75%はほとんど着ていないそうです。
次回のエントリーでは、自分にとってのおしゃれをどのように定義するかについてです。
1.このブログについて
今日からブログを始めます。
○自己紹介
初回なので簡単に自己紹介します。
はじめまして、Tといいます。アラサー男です。ブログのタイトルどおり公務員をやっています。
電車が1時間に1本しか来ないほどの超田舎の出身で、大学進学を期に上京し、現在も東京に住んでいます。
かなり理屈っぽい性格で、何をやるにも理屈第一
学生時代におしゃれに興味を持ってから、どうすれば確実に、早くおしゃれになれるか理屈っぽく考えながらやってきました
このブログでは、そんな私が上京してから現在に至るまでにおしゃれについて考えたこと、実践したことについて書きたいと思っています。
○このブログを始めるきっかけ
きっかけは、ある雑誌の企画でした。
その企画は、プロのスタイリストの方が街を歩いている人に声をかけ、その人の着ている服を評価し、何点かアイテムを足すことで、そのスタイルをより良くするというもの。
私はその企画に参加させてもらいました。ちなみにその日は、ベージュのトレンチコートを着ていました。
評価は次のとおり↓
・身長を考えるとコートの丈はもう少し短い方がバランスが良い。
・靴は白の方が明るく垢抜けた印象になる。
・少しアクセントが足りないから眼鏡をかけると良い。
よくありそうな評価ですが、この評価では「なぜそうなるのか」の根拠にあたる部分が足りていないと感じたため私はこれに納得できず、それぞれ
・なぜ丈が短い方がバランスが良くなるのか。
・なぜ白の方が明るく垢抜けた印象になるのか。
・なぜアクセントが足りないのか、なぜ眼鏡が良いのか。
尋ねました。
しかしこの質問に対する的確な回答はなく、いずれも感覚的な経験則であるとのことでした。
私はモヤモヤした気分になったのと同時に、スタイリストのようなプロの方であっても、感覚的にスタイリングしていることに驚きました。私はそのときまで「おしゃれな人はみんな自分なりの考え(理論)を持ってやっているんだろう」と思っていたからです。
○おしゃれを考える人は少ない??
これをきっかけに、一般的なおしゃれの理論について調べることにしました。その結果わかったことは次のとおりです。
・そもそもおしゃれの理論と呼べるものは少ない。
・数少ないその理論の中身を見ると、おしゃれの定義がバラバラで感覚的。理論と呼べないものが多い。
・対象を狭く限定して、その対象に当てはまりやすい(当てはまらないことも多い)一般論を理論として扱っているものが多い。
「おしゃれ」「理論」、その他関連する言葉で検索すると、スタイリストの方が書いた書籍や記事が挙がりますが、その数は多くありません。その中には、同じ内容のものが複数あったり、関係のないものも含まれています。
いくつかの大型書店にも行きましたが、この手の書籍は数が少なく、著者が同一で同じネタが使い回されていたり限られています。
またそれらの理論の中には、前提となるはずの「おしゃれとは何か」に触れておらず、それが著者や読者の感覚に拠るために理論的な説明になっていないものや、限定された対象に当てはまりやすい結果論を理論として扱ったものもありました。
例えば次のようなものです。
・メンズファッションおしゃれのポイントは、ドレスとカジュアルのバランス!ドレス、カジュアルのどちらか一方のみの組み合わせではダサくなる!
⇒ この理論の解説では、「おしゃれ」、「ドレス」、「カジュアル」について定義されておらず、解説文中に「ジャケットはドレス」「ジーンズはカジュアル」といった個々のアイテム毎の説明があるのみでした。
この場合読者は、何がおしゃれで、何がドレスで、何がカジュアルかわからないので、著者と読者の考えが(偶然に)一致しない限り、再現するのは難しいものと思われます。私はこれを理論と呼ぶのには無理があると思いました。
・30代OLのおしゃれ、コートに合わせる靴はロングブーツが正解!
⇒ これも同じように「30代OLのおしゃれ」が定義されていませんでした。解説では、複数種のコートとロングブーツから身長別に相性の良い組み合わせを提案していました。これは、一つ目の理論に比べて具体的である分、筆者の考えが読者に伝わりやすく、読者はイメージしやすくなります。
しかしながら、実際の30代OLは多様であり、当てはまらないことも多くあります。沖縄在住の30代OLは、気候的にコートを着てロングブーツを履く機会はほとんどないかもしれません。
また評価者の視点が抜けているため、理論どおりに読者が再現できたとしても、その読者がコートにロングブーツを合わせることをおしゃれだと考えないコミュニティに属している場合、効果は薄いでしょう。沖縄在住の30代OLのコミュニティはそういったものかもしれません。
このように、現在おしゃれの理論とされているものの多くは、なんとなく読者の共感を得ることができるものではありますが、当てはまらないケースも多く想定でき、その読者が理論どおり実行したとしても実際におしゃれになれる可能性は低いものだと感じました。
○もしかして私は変わった考え方?
私がこれまで考え実践してきたのは、上記のようなものと異なり、一人ひとりにとってのおしゃれを定義し、客観的・効率的におしゃれになろうとするものです。
もしかしたら、自分みたいな考え方の人は少ないのかもしれない。 既存の理論とは異なりますが、その分新鮮味のあるものとして受け入れてもらえるのではないかと思い、ブログにまとめることにしました。
まだまだ未熟ですが、このブログを読んだ方々がおしゃれをするにあたっての一助になれば幸いです。
その他、ファッションに関するニュースの感想や、その時々の関心事についても書こうと思っています。
ではでは、よろしくお願いします。