5.おしゃれの評価基準(2)

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前回の記事では、人のおしゃれの評価基準について、認知の仕組みから考えたことを書きました。

4.おしゃれの評価基準(基礎編) - 公務員のマジメなおしゃれ理論

 

今回は前回に続き、ストリートスナップの評価基準について書きます。

ストリートスナップの特徴

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評価基準の考え方は前回のとおりです。

 

「評価者を特定する ⇒ その時点で評価者がおしゃれだと考えるものと、そう考える理由を予想する 」

 

 この考え方を、ストリートスナップに当てはめます。

 

私はまず評価者を特定するため、ストリートスナップについて調べました。その特徴としてわかったことは次のとおりです。

 

・撮影場所の大半は原宿。

・撮られる人の年齢は、10代後半から20代前半が大半を占める。

・スナップを撮る各媒体に、複数の撮影者がいる。

・雑誌であれば、掲載のおよそ一ヶ月前に撮影している。ファッションサイトは媒体によって異なる。中には撮ってすぐ掲載するところもある

・上記の他、スナップされる人の傾向・人数等は、媒体の編集の都合に影響される。

 

ここでストリートスナップには複数の撮影者がいることから、評価者の特定は難しいことに気づきました。

 

これについて考えていた2006年当時は、20代前後を年齢層をターゲットとしたほぼ全てのファッション誌と、fashionsnap.comやstyle arena等のいくつかのファッションサイトがストリートスナップを撮っていました。

また上記のとおり、それぞれの媒体に複数の撮影者がいました。

媒体の数だけでおよそ20、撮影者は100人以上はいたと思います。

 

そこで評価者を特定するために定義をより具体化すること(例えば「○○にスナップされること」等)を検討しましたが、そうした場合でも複数の評価者がいるため完全な特定はできないこと、また評価者を特定する目的は評価基準を考えやすくするためであって、必ずしも一人に特定する必要はないことから、まずは評価者に影響されないスナップ全体に共通する評価基準を考えることにしました。

ストリートスナップの評価基準

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ここで目を付けたのは、スナップされる人の傾向・人数等は、媒体の編集の都合に影響される点です。

 

雑誌であれば多くの人に買ってもらう、ファッションサイトでは多くのアクセスを稼ぐという目的があります。

そのため媒体は多くの人が見たくなる内容にする必要があります。

 

多くの人にとって魅力的なものにするために実際に採用されているコンテンツには、人気のブランドの新作紹介、有名人のインタビュー等いろいろあります。ストリートスナップもそのうちの一つです。

 

これらに共通するのは「流行」を押さえたものであることです。

 【参考】流行とは

 

ファッション=流行なので当たり前ですね。

実際に各媒体は、今現在流行っているものや、これから流行りそうなものを紹介したりして、コンテンツ内容に流行を取り入れています。

(個人が運営するファッションブログ等の小規模な媒体には、あえて流行を取り入れない編集の仕方を取っているものもあります)

 

これは当然ストリートスナップにも関わるものです。

つまり多くの場合、ストリートスナップの評価基準には、流行を取り入れていることが含まれており、先述の特徴と合わせて「原宿の10代後半から20代前半の若者の流行を取り入れていること」が基準の一つとなっています。

 ○ 流行を取り入れるなんて当たり前?

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「雑誌に流行のスタイルが載っている」なんていうのは、ほとんど誰もがわかっている当たり前の話だと思います。

私も当時こんな風に考える前からわかっていたことでした。

 

しかし街を歩いている人を見ると、そのことがわかった上で流行を取り入れようとしているはずなのに、うまく取り入れることができている人とそうでない人で、大きな差が付いていることがわかります。

流行を取り入れる必要があることをわかっているだけでは不十分なのは明らかでした。

 

私は、ここまで差が付いてしまうのは流行の理解度に差があるからだと考えました。

「なんとなく流行がわかっている」か「深く流行をわかっている」かの違いで、結果に大きな差が付いているのではないかということです。

 

その後、私は流行について調べ、ストリートスナップの評価基準にかかる大きなヒントを見つけることができました。

その説明はまた次回の記事に続きます。